腎臓病用サプリメントであるアミンアバストについてご紹介いたします。
今回の記事は特定の治療や薬を推奨するものではありませんので、解釈には十分注意をお願いいたします。
アミンアバストは、犬猫の腎臓の健康をサポートするために開発された栄養補助食品です。
その主成分であるAB070597は、複数のアミノ酸(グリシン、L-アスパラギン酸、L-グルタミン酸、L-グルタミン、L-カルノシン、L-ヒスチジン、L-アルギニン)で構成されており、これらが腎機能の維持に寄与するとされています。
期待される効果:
アミンアバストに含まれる特定のアミノ酸、特にL-アルギニン、L-ヒスチジン、L-カルノシンは、以下のような腎保護作用が期待されています:
- 糸球体濾過量(GFR)の増加:腎臓のろ過機能を高める可能性があります。
- 赤血球の生成促進:貧血の予防や改善に寄与する可能性があります。
- BMP-7(骨形成タンパク質7)の生産安定化:腎組織の修復や再生を促進する可能性があります。

また、近年猫のアミンアバストの有効成分であるAB070597の効果を評価するための前向き無作為化比較試験が実施されました。
研究デザイン:
- 対象: IRIS(International Renal Interest Society)ステージ2または3のCKDと診断された35匹の猫。
- 介入: 20匹の猫にAB070597を1日2回、1回300 mg、180日間投与し、15匹の猫にはプラセボを同様に投与。
- 評価: 30日ごとに再評価を行い、血中尿素窒素(BUN)、クレアチニン(Cre)、リン(P)レベルの変化を観察。
結果:
- プラセボ群では、180日目にBUN、Cre、Pレベルが有意に上昇しました。
- 対照的に、AB070597投与群では、これらの値に有意な変化は見られませんでした。
- AB070597投与群の猫は、研究期間中、IRISステージが安定していましたが、プラセボ群の27%の猫ではステージ2から3へ進行が見られました。
結論:
AB070597の投与は、猫のCKDの進行を防ぐ効果がある可能性が示唆されました。
考察:
この研究は、AB070597が猫のCKD管理における有望なサプリメントであることを示しています。しかし、サンプルサイズが小さく、研究期間も限られているため、さらなる大規模かつ長期的な研究が必要とされています。また、併用治療に一貫性がなく、ベラプロストや皮下点滴といった治療が結果に影響を与えた可能性があります。
全体として、AB070597は猫のCKD管理における補助的な治療法として期待されていますが、その効果を確立するためには、より厳密な研究が必要です。